Coventry Carol〜鎮魂の子守歌〜



今から二千年以上も昔、ベツレヘムの地でイエス・キリストが生まれて間もない頃、
ユダヤの王ヘロデはキリストの誕生を知り、自分の地位が脅かされることを恐れました。

ヘロデは、家来たちに命じました。
「ベツレヘムにいる、2歳以下の男の子を一人残らず殺せ」

天使に導かれ、イエスの一家は無事にエジプトへ逃れましたが
ベツレヘムは、我が子を抱いたたくさんの母たちの涙に覆われました。



    ララバイ、ララバイ
    かわいい坊やよ、もうすぐお別れ
    哀れなこの子のために、ただ歌うだけ

    幼いこの命を奪うために
    ヘロデ王の兵がもうすぐやってくる
    おまえと別れるこの悲しい歌
    もう二度と歌うことはないでしょう

  
         

子守歌は古今東西たくさんありますが、これほど悲しい子守歌は他にないように思います。
クリスマスシーズンによく歌われる曲ですが、初めて歌詞を知ったとき、なぜこんなに美しくて切ないのか分かったような気がしました。

ヘロデ王は猜疑心が強く、後に妻子まで処刑するほどだったそうですが、犠牲になった子供達の中には、里子に出されていたヘロデの子も含まれていたとも言われます。

二千年を経た今もなお、大人たちの戦争によって犠牲になる子供がたくさんいます。
言葉にすることさえできなかった幼子達の願いが、時を越えて私たちの心に響きます。



    ララバイ、ララバイ
    お眠りなさい、かわいい坊や
    哀れなこの子たちのために 歌います
    安らかにお眠りなさい
    安らかに
    お眠りなさい・・

                                                
    (詩:Seiko)


Essayにもどる